批評
今作はとにかく答えが明示されない描写が多い。
それは劇中で残った謎だけでなく、とても他人事とは言えないと強く感じさせる社会問題が主だ。
今作の主軸は主人公が”ジョーカー”という存在になるまでの話で、劇中ではそんな主人公を悪として描いているが、果たして本当に悪と言えるのか。
そもそも悪とは一体何なのか。悪を生むきっかけは何なのか。そして自分は一体どうすればよいのか。
様々な立場の人間をものすごく現実的に描かれることにより、自分たちの人間関係の中でも劇中のようなことが起こってもおかしくないように思えるだろう。
そんな非常に強烈な印象を与える今作は、一度は全ての人に観てもらいたい作品である。
スタッフ・キャスト
監督:トッド・フィリップス
脚本:トッド・フィリップス スコット・シルヴァー
キャスト:ホアキン・フェニックス ロバート・デ・ニーロ フランセス・コンロイ ザジー・ビーツ 他
2019年制作/122分/アメリカ