
批評
物語の構造が大きく変わる面白い発想を見せつつ、オリジナル版以上に人間味にあふれた映画となっている。
映画『運命じゃない人』のリメイクである今作は、基本的な設定はほぼ同じであるが、オリジナル版よりも恋愛要素を増やし、上手く脚本に落とし込んでいる。
今作の大まかな内容は、「主人公が以前にも会った女性と店で偶然再会し、自然と会話をしていくうちに好意を抱き始める」という恋愛劇だ。
視聴者は主人公とその女性の二人の関係が行き着く先を見届けることになるのだが、物語は予想もしなかった方向へと舵を切る。
今作は脚本に注力されている。
劇中で少しでも登場する人物、一瞬の台詞や演出にも全てに意味がある。劇中で視聴者が疑問を抱くような箇所に思いもよらないような伏線が隠されている。「物事には理由が必ずある」と強く実感させられる構成だ。
また、今作はオリジナル版よりも人間らしさに注力した、恋愛劇として改変し、再構築された脚本となっている。
具体的には、様々な登場人物の明確な内面が描かれる。それによって話の詳細がより詳しく分かるようになっており、人間らしい一面がよく見られる。中にはオリジナル版では焦点を当てなかった人物の心情も分かり、恋愛劇とするために設定が改変されている。
他にも、オリジナル版よりも「話すきっかけ」が自然であったり、「また会いたい理由」が説得力があったり、オリジナル版で明らかにおかしかった点が解消されている。
改変によってオリジナル版よりも説得力がない箇所もあるのが残念だが、オリジナル版を観た方や面白い脚本が見たい方、恋愛作品が観たい方におすすめである。
スタッフ・キャスト
監督:チョン・ヨンギ
脚本:チョン・ヨンギ イ・ゲビョク
キャスト:キム・ジュヒョク イ・シヨン イ・ユンジ オ・ジョンセ 他
2011年制作/110分/韓国