
この映画は扱うべき題材を決定的に間違えている。こんなにも話がまるで進まない展開に映画1本という枠を捧げて良いのだろうかと思いました。ケルソンとジミーを退場させるためだけに、しかもあまりにもあっけないのが本当に前作からの続編として間違えている。サムソンが元の人間に戻っているのかもしれないという、観客の誰もが気になると言える展開をおざなりにして、サムソンよりは間違いなく気にならないと言える展開を、壮大な茶番として終わらせる。これを映画1本という枠で描くのだから、扱うべき題材を決定的に間違えているとしか言いようがない。
まずそもそも、副題が『THE BONE TEMPLE(白骨の神殿)』である意味をどこにも感じられない。なぜこの副題なのか私には到底理解できないため、これなら『28 YEARS LATER PART 2(28年後... パート2)』で良かったと思えました。私だったら、あくまでもこの映画においては、安易に「パート2」とはつけずに、本編を通せば理解できるような、深い意味を持たせる副題にします。
開幕の暗転した画面で叫び声だけを出して、すぐに「28 years later ...(28年後...)」と出し、またすぐに現在(28年後)の場面に切り替わるのが本当に分からない。28年前の状況を全く映さずに「28 years later ...」と出されても、観客は素直に納得できないだろう。私だったら、前作『28年後...』の冒頭とはまた違った28年前の状況を映す。この映画においては、ケルソンの過去か、匂わせのためにサムソンの過去を映すのが最良でしょう。
一方、(副題がこの映画に適しているかは置いておいて)副題である「THE BONE TEMPLE」の出し方は本当に良いと思いました。『28』シリーズにおいて、地続きの続編、副題がある映画は今までなかったので、この「初めて」という状況をどう切り抜けるのかが私は非常に気になっていました。シリーズにおいて、暗転してから画面の右下に「28 〇〇 later...」と出るのがお決まりとなっていましたが、この暗転のタイミングで副題を出すのはおかしいなと私は思っていたので、間を置いてから副題を出すのは本当に良いと思いましたし、同時に「そういう出し方しかないよな」と非常に納得しました。
映画の最後に『28日後...』の主人公ことジムと、ジムとセリーナの間に生まれた娘と思われる少女が登場しましたが、とりあえず登場させた感があまりにも強く感じました。「旧主人公(ジム)と新主人公(スパイク)が合流すればシリーズファンは盛り上がるだろう」と、制作陣は考えたのかもしれませんが、自然な流れで登場したとはとても思えませんでした。前作同様、続編を考えた終わり方をしているため、続編でジムを再登場させる必然性を感じさせる展開が見れるのかもしれませんが、「もっと良い登場のさせ方があったのでは」と感じたのが現状です。
「レイジウイルスのパンデミック発生から28年経った現在でも現状が変わらず、感染者も変化を遂げた」という面白い設定を最終的にどう着地させるのか、この映画の時点では話が進んでいるとは到底言えないため、悪い意味で全く見えてこない。私的には、このままでは設定を活かしきったと言える、観客が納得できるような結末は迎えられないと思っていますが、ジムの登場によって少しでも良い方向に変わることを信じています。
サムソンが登場する場面の多くが観客を話に夢中にさせられるようなものであったこと、1本の映画の括りで考えたときにどのように終わるかがまるで予想できないというのは本当に高評価ですが、それ以外のメインとなる話の脚本の出来があまりにも悪いため、総合的な点数は18点という印象になりました。
ちなみに、前作をネタバレなしで魅力を紹介した記事を書いています。この記事のようにネタバレありの感想は含まれていませんが、興味がある方はぜひ読んでみてください↓