批評
今作は舞台設定の全てに意味がある、脚本が卓越した映画である。
今作の設定は「タイムループによって同じ一週間を過ごし続ける」というもので、真新しさはないかもしれない。
登場人物は同じ会社で働く人たちで、ある上司一人だけがタイムループしていることに気づかない。
そんな上司を気づかせ、タイムループを終わらせようとする、というのが今作の主軸だ。
基本はクスッと笑える箇所が多いコメディタイムループであるが、実は深いテーマが隠されている。
それも登場人物たちが働いている会社がどのような場所なのか、タイムループ中に登場人物が起こす行動はどのようなことなのか、同じ一週間を繰り返す理由はなぜなのか、それら全てを利用した、タイムループものだから描けたテーマと言える。
非常に脚本が卓越している今作は、面白い話が観たい方、短時間の作品が好きな方におすすめである。
スタッフ・キャスト
監督:竹林亮
脚本:夏生さえり 竹林亮
キャスト:円井わん マキタスポーツ 中村航希 三河悠冴 八木光太郎 髙野春樹 島田桃依 池田良 しゅはまはるみ 他
2022年制作/82分/日本