批評
硫黄島の戦いにおける日本軍の指揮官の絵手紙を収録した原作から、手紙という案を活用し、人々に深く考えさせる物語を描いている。
今作のほとんどは原作が存在しない、硫黄島の戦いが舞台の日本の視点で描かれた創作である。
しかし、創作でありながら、日本独特の戦時中の国の在り方が完璧に反映されていて、なおかつ英雄視はせず中立に描かれている。
特に、今作を中立に描くために日本とアメリカの両国の兵士が固定観念を持たないような行動が描かれるのが素晴らしい。
他にも、原作で描かれていた指揮官の家族に宛てた手紙の引用だけでなく、今作の兄弟作である『父親たちの星条旗』の原作で解説されていた日本の行動も忠実に描かれている。
今作はアメリカの視点で描いた兄弟作『父親たちの星条旗』と、伝えたいことは物語は違えど同じであると言える。
『父親たちの星条旗』を観た方はもちろん、全員に観てほしい映画である。
原作は↓
兄弟作である『父親たちの星条旗』の原作で解説されていることも描かれるのでそちらの原作も↓
スタッフ・キャスト
監督:クリント・イーストウッド
脚本:アイリス・ヤマシタ
原作:栗林忠道 吉田津由子
キャスト:二宮和也 渡辺謙 伊原剛志 加瀬亮 中村獅童 裕木奈江 他
2006年制作/141分/アメリカ