批評
後退した世界の中で生きる意味を見つけていくアニメとなっている。
今作の大まかな内容は、「戦争によって後退した世界で軍隊の主人公たちが生きていく」という戦争日常系アニメだ。
戦争要素もあるが、今作のほとんどは平和な軍隊の日常劇を描いたものとなっている。
一体なぜほとんどが日常劇なのか戸惑う方も多いのではないだろうか。実はそんな日常劇にも非常に気付きにくい伏線が多く仕組まれている。
今作は不思議な世界観で繰り広げられる。それもすごく丁寧には説明されず、多くも語られない。戦争によって後退した世界というのはすぐに読み取れるのだが、主人公たちとともにさらに世界観について知っていき、何とも面白い独特な世界観だと理解していく構成となっている。
そんな世界で自分たちは生きていくべきなのか、生きる意味を見つけていくことになる。
今作にはさらに不思議な要素がある。音楽の要素だ。
今作の主人公が音楽好きという設定なのだが、戦争日常系とどう絡むのか分からないと感じる方も多いのではないだろうか。
それも全話観終わってようやく伝えたいメッセージが分かり、意味のあるものだと理解できる。
未回収の伏線が残っていたり、本当の最後まで話がよく分からなかったりと、あまり親切ではなく残念な部分もあるが、独特の世界観の作品が観たい方におすすめである。
スタッフ・キャスト
監督:神戸守
脚本:吉野弘幸
キャスト:金元寿子 小林ゆう 喜多村英梨 悠木碧 遠藤綾 福圓美里 石塚運昇 八十川真由野 他
2010年制作/全12話/日本